思いを<共有>できるデザインの力2005/11/03 09:04

昨晩は、二人のクリエーターにエネルギーを貰ってきました。
DesignTideのイベントで盛り上がる、青山界隈
最初は、表参道。東京ブックセンター本店です。
エスカレーターを降りようとすると大きなバルーンのタンクが目にとまります
これは、友人の徳田祐司さんがデザイン。強力なサポートのもと
進められているピースなプロジェクトretired weapons
一見ポップなグラフィックですが、言葉を越えて伝わり、これが又、新たな言葉を生み出す。
そんな力があるデザインです。春先の雑誌「pen」では表紙になっていましたから、ご存じの方もいらっしゃるのでは?
缶バッジを2つ買ってきました。この収益は微力ながらこのプロジェクトが<継続>していくための力になるんだそうです。
もう一つは、花の種が入っています。これは、期間中無料で配られるそうです。11/6まで
そして、神宮の絵画館前に移動。

KAMISHIMA CHINAMIのファッションショーです。
東京コレクションで、特設テントが設置され様々なショーが繰り広げられています
ショーに呼んで頂けるようになったのは、とても嬉しいきっかけからでした。
私が、2002年に手掛けた岐阜のブティックの前を通りかかられた社長さんが「ここに、服をおかせてほしい」と飛び込みで入ってこられた事に始まります。
オーナーさんも喜んで下さり、<空間が人を繋いだ>と言うことに私も悦びを感じました。
それ以来、何度かショーにお邪魔しています。
服のことは素人ながら、生地から染め上げるという素材感へのこだわり それが人の動きでどう変化していくのか、そして、その結果美しい姿になるのか・・・そんなこだわりが熱く伝わってきます。
そして、この方のデザインにいつも感じるのは
<吹き抜ける風>です。
丁度、そんなことを考えている昨今、ここに吹く風も又美しい・・・と
何かを共有できたような夜でした

見ると言うことの大切さは2005/11/05 00:28

今日は、受け持ち学生有志数名と、神山町の現場見学
+渋谷近辺の建築巡りをしてきました。
代々木のオリンピックプールを久々にジックリと見て
はたと気付かされることもあり、なかなか新鮮でした。
現場を見て、軽食後、外観のみでしたが松濤美術館とギャラリーTOMへ
そして、後期の第二課題敷地が設定されている品川(天王洲)へ
ロケーションとしてはなかなか面白いところです。
どんなプランが、造形演習ではなく、初めて実際の建築設計に立ち向かう学生から出てくるのか、楽しみです。
良く歩いた1日でした。

いつもそこにある海2005/11/06 09:04

昨日は、芦原建築設計研究所時代の先輩岡田彩子さんの設計した、
三浦半島の家オープンハウスがあり、逗子からバスに乗って行ってきました。
高台の上に見える黒いボックス。内部は白を基調にしているのですが
内外の<白ー黒>の境界線の処理がなかなか面白く、
アクセントにもなっています。
リビングなどからは、目の前の海が一望に出来ます。
いつもそこにある海・・・
きっと、「センス・オブ・ワンダー」を日々感じながら
穏やかな生活が展開されるのだろう、と想像しつつ、帰途についた。

景観と建築2005/11/10 09:30

火曜日の夜は、 建築家フォーラム の講演を聴きに行ってきました。
景観を主テーマに、それぞれの作品論まで展開され、刺激的な時間を過ごすことが出来ました。
詳しい内容は書きませんが、それぞれのスタンスで切り込んでいく。そしてそれについて、一人一人が<考える>と言うことの大切さを感じました。

この写真は大江匡氏の設計でリノベーションされた二子玉川の高島屋です。
よく、スケッチをしたり、文章を考えたり...と言う目的でこの近辺に出没しています。
ふと気付くと、もうクリスマス飾り。
この一年は...と、少し考え始める今日この頃。

再会2005/11/13 09:55

昨日は、久しぶりに上野の国立科学博物館を訪れた。
本館は、現在香山氏の手で改装中。
芦原義信先生の事務所にいた1998年1期工事は竣工。
2年間の常駐監理担当者だった私には懐かしい建築
その時全力で立ち向かった痕跡が7年経ってどう変化しているのかを
確認する一時でもあった。
添付写真は、エスカレーターの乗降口廻りディテール
現場を見られた芦原先生が
「ステンレスプレートの角が人の手に近すぎる・・・」
と指摘され、原寸図を起こして追加した木製のパーツが思いがけず
ユニークなアクセントとなったのを思い出します。
また、時折経過を見ていきたい建築です。

その後、東京文化会館で佐藤征一郎先生 のコンサートへ。
ユーモラスな曲から、ゲーテの詩から深い音楽に達している曲など
初演の曲を含め、追求され続けておられる一人の芸術家の<今>が深く響く宵でした

満月の夜に2005/11/19 09:52

かけがえのない夜というのはあるものだ
奇しくもその日は満月
クリエーターとその仕事を支える篤き人びとに囲まれ
エネルギーを貰う。
そして、同じ時代を走っている同世代のクリエーター
その人の澄んだ強い目に
「今の自分は、果たしてこの人と同じような
 強い目を持っているだろうか?」
と、問いかけてみる...。

建築を楽しむ、そして・・・2005/11/19 19:04

昨日の授業では、最初に川口とし子先生のレクチャー
そしてその後 「美の巨人たち」で放送されたル・コルビュジエ「母の家」を学生に見せた。
とても良く纏まっているし、コルビュジエとは?と丁寧に説明されるので
下手な本を読むより自然に興味が湧くことだろう・・・。
その後、各室での指導で、自由に発想できる課題の<初めの一歩>を スタート。
最初は戸惑いもあるだろうけれど、楽しんでやって欲しいと思っている。
その後見せた、スライドショーで私がロンシャンの礼拝堂や
ラ・トゥーレットの修道院に行ったときのスケッチや写真を見せた。
まずはコルビュジエのマニアになって
それからもっと柔らかい現代の建築作品に 興味を持ってくれたら・・・
このスケッチはその内の一枚。
ロンシャンのガーゴイルである。

その後、はるばる横浜の緑園都市へ。
ここでは、日曜日までスカッシュの全日本選手権 が行われている。
現在習っているコーチの試合にギリギリ4ゲームから間に合う。
一人のアスリートとして戦っている姿に
フルセットの末残念ながら破れるも、エネルギーを貰った。
その後、友人達と2試合みて、夜10時頃、コータコートを後にした。
長い1日。

決して届かない距離感2005/11/23 17:53

金曜日の授業の時に、お知らせを頂いていた
川口とし子さん他10名のデザイナーがデザインした
ジュエリー展に、神山町の現場のあと、行ってきました。
この企画は、ジュエリーデザイナーではない人がデザインする
という点が、なかなか興味深く、
そのウチの一人、小泉誠さんが会場構成もされていました
普段違うスケールのモノを扱っている川口さんはじめ建築家や
違う素材を扱っている陶芸家の方など
それぞれどのようにあの極小の<空間>に
立ち向かっていったのか・・・想像しながら拝見してきました。

そして、六本木AXISの同じフロアーには写真の
倉俣作品が、今は本当に作品として保存されています。
どんどん消えていく作品が多い中、輝きを失わずに
されど、冷凍保存されたような不思議な距離感を持っています
まるで、倉俣氏の作品にある、アクリルに封入されたバラのように、
見えるけれども、決して届かない距離感・・・

冬の足音2005/11/27 00:31

秋深まり・・・これは、昨日大学で撮影した銀杏です。
心なしか、都内よりも早く冬の足音が届いているように見えます。
大学の図書館、毎週気になる作品集を借りて、コピーして
自分だけの名作集を創って勉強していた学生時代の日々。
いまだに、つい図書館には寄ってしまいます

街並み・平成の茶室デザイン2005/11/27 09:34

横河健さんの設計された平成の二畳台目を見せて頂けるということで
川越まで行ってきました。
昨年竣工して、すでに雑誌などで発表されていますが
写真や詳細図面からではうまく読み取れなかった部分もあり
施工時の苦労話も含め、大変興味深く拝見しました。

アルミ、ステンレス、コンクリート、ガラスなど現代の素材と
木、たたみ、和紙など伝統的な素材が融合されているのみならず
それらの素材をさらに<そもそも>と可能性を広げて挑戦されているのが
強く印象に残りました。

また、既存樹木に敬意を払った路地廻りの結界の作り方や
シークエンスの<間合い>も絶妙です。

そして、様々なグラデーションの光で創られた白い茶室の空間
柔らかに包み込まれるような感覚を味わいました。

はじめて訪れた川越の街は、予想以上に観光地でした。
蔵作りの街並みだけではなく、それを盛り上げようと言う
人びとの気概のようなものが
街に活気をもたらしているように見えました。